トロッケンベーレンアウスレーゼって誰の必殺技? 〜ドイツワインって、何【その2】〜

こんにちは。跳ねる柑橘です。

ドイツワインを紹介する2本立ての記事、今回はその2本目です。

前回はアイスワインにフォーカスを当てて、知識ベースでご紹介しました。

アイスワイン ~ドイツワインって、何【その1】〜

今回は、ドイツワインについてもう少し広い視野で書いていきます。
相変わらず知識ベースですが、つまらなくないように…
ドイツらしくいちいちカッコいい言葉が多いので、そのあたりも楽しんでください。

(目次)

ドイツのワインはどんな酒

さて、ドイツのワインについて。
知識ベースですので、美味しそうと思うかは皆さんのイマジネーション次第です。

産地

ドイツを南北に分けて南側、圧倒的に南部で作られています。
比較的穏やかな気候で、ブドウ作りに適しているということでしょう。
っていうかもう、南西部ですね。
モーゼル、ミッテルライン、ラインガウ、ラインヘッセン、ファルツ、フランケン、ヴェルテンベルク、バーデン…
北側だと東部、ザクセンやザーレ・ウンストレート地方が有名です。

赤白の特徴

香り高き白

まず白です。
市場ではドイツワインは圧倒的に白ワインが多い。甘辛ともに長期熟成もOKとされる良質な白ワインが多いです。
品種はリースリング、ゲヴェルツトラミネール、ジルヴァーナー。あとはミュラー・トルガウ、ピノ・グリ、ピノ・ブランなど。

・リースリング
前回書いたのでそっち見て。笑
アイスワイン ~ドイツワインって、何【その1】〜 – 跳ねる柑橘の段ボール箱
ブレンドはドイツではほとんどしません。ドイツ最高峰の甘口ワインから辛口まで、リースリングで造られます。

・ゲヴェルツトラミネール
好き嫌いがわかれる品種。ライチやトロピカルフルーツの香りと共に、バラなどの花の香り。これがダメな人もいます。またスパイシーなアロマが特徴。

ゲヴェルツトラミネールのゲヴェルツとはドイツ語で「スパイス」のことだとか。
こちらもブレンドはまずない。結構エスニック料理との相性が良いです。中華やタイ料理なんかに不思議と合う。

・ジルヴァーナー
上2種と並びドイツでメジャーな品種。ライトで酸味のあるワインになります。フルーティでそこまで癖のない味わい。
柑橘系、オレンジピールっぽい香りがあります。味も扱いやすいし早熟で収量も多いことからメジャーなのかも。
フランケン地方の独特なボトル「ボックスボイテル」に詰められるワインには、このジルヴァーナーで造られたものも多いです。ボックスボイテルについてはこちらの記事でも書いています。

ワインって、なに ~「ちがい」編~

フルーティな赤

ドイツワインといえば白というイメージが強いので結構地味。でもフルーティで華やかな香りのものが多いです。
品種はシュペートブルグンダー、ドルンフェルダーなど。

・シュペートブルグンダー
実はこれはフランス、ブルゴーニュを筆頭に各地で造られるピノ・ノワール。
シュペート(Spät)は「遅く熟れる」
ブルグンダー(burgunder)は「ブルゴーニュの」
で、「じっくり熟すブルゴーニュの黒ブドウ」

つまりピノ・ノワールのドイツ呼称です。
ベリー系の華やかなアロマのミディアムボディなワインになります。

・ドルンフェルダー
よく知りません。笑
飲んだ記憶では結構青臭くてスパイシーという、カヴェソーとシラーのブレンドを軽くしたような味でした。

グリューワイン

ここで変わり種。
日本で飲まれる最高ピークがクリスマスなのでちょうど過ぎてしまったんですが、ドイツにはグリューワイン(Glühwein)というものがあります。赤ワインを、シナモンやクローブといったハーブ、果実、砂糖などと一緒に煮込む、ワインカクテルの一種。
日本ではもっぱらクリスマスマーケットで売っていますが、ドイツではどうなんでしょう。
ドイツ在住の友人(日本人)は自分で作ってるとか言ってましたが。飲むと体がポカポカします。シナモンやハーブの香りもして、クッキーとか食べたくなる味です。
ドイツ以外でもフランスや北欧で似たようなホットのワインカクテルがあるようで、例えばフランスのアルザス地方では白ワインで作ったりもします。
また煮込まないですが、スペインのサングリアも、基本赤ワインをベースに、ハーブや砂糖、オレンジピールなどを漬け込むワインカクテル。寒い国ではホット、ラテンな南欧ではコールド版ということでしょうかね。

人を魅了する 白ワインの等級

ドイツは赤より白が有名。有名にしてるのは、ドイツの白ワインにある等級ではないでしょうか。
等級とか格付けは、ワイン生産国なら各地でやっていますが、ドイツの白ワインへの等級制度はちょっとユニーク。
糖度と製法で区分されており、甘いものから辛いものまで呼称が用意されています。

代表的な等級名称

【辛口】
・トロッケン(Trocken)
・ファインヘルブ(Feinherb)

【オフドライ(やや辛口)】
・ハルブトロッケン(Halbtrocken)

※以下が本命
【やや甘口】
・カビネット(Kabinett)
…これ以降は果糖が許されない。甘口6等級で一番の下っ端。

【甘口】
・シュペトレーゼ(Spâtlese)
「遅摘み」の意。カビネットより糖度の高いブドウで造る。

・アウスレーゼ(Auslese)
…シュペトレーゼより糖度の高いブドウだけで造る。

【超甘口】
・ベーレンアウスレーゼ(Beerenauslese:BA)
「顆粒(ブドウの粒)レベルで選別」という意味。
その名の通り、粒レベルの厳選された糖度のとても高いブドウで造られる甘口ワイン。貴腐ワインになることも。

・アイスワイン(Eiswein)
…前回ご紹介。樹についたまま凍りついた果実で造る。

・トロッケンベーレンアウスレーゼ(Trockenbeerenauslese:TBA)
「乾いた、顆粒レベルで選別された」という意味。
ドイツワインの最高峰。字面では貴腐ワインということを指している。でも貴腐ワインじゃないこともある。

辛口や生産地呼称制度などでもう少し細かいものもあるそうですが、わかんない!
カビネットからTBAまでの6種類の甘口ワインが上質なものといわれます。

貴腐ワインとは

さて、上の等級のトップ3の中で出てきた「貴腐ワイン」という言葉。高貴に腐ってどうすんのって感じですが。この貴腐ってのが上品な甘さを引き出すカギです。基本的にカビネット以下の甘口ワインは遅摘みです。遅摘みだと、通常のワインを造るにはちょっと甘くなり過ぎます。
糖度が高くなっちゃうから。それが狙い。
そして、そんな遅摘みブドウの果皮に「ボトリティス・シネレア」という菌が自然に付着することで、貴腐ブドウになります。この菌の作用で、果実から水分が奪われた状態になります。アイスワインが凍るのと同様、中の水分が抜けることで糖度が凝縮されます。

自然の作用で造る甘口ワインのうち、
菌の力で甘さUP!が貴腐ワイン
凍らせて甘さUP!がアイスワイン
と覚えよう。

甘口ワインはその他に、収穫したブドウを干して干し葡萄にして造るものや、醸造中にお酒を加えて糖度をキープするものなどもあります。干し葡萄はイタリアなんかで使われる製法。またお酒を加えてっていうのは酒精強化ワインとも言われ、シェリーやポートワインなどがこれにあたります。

世界三大貴腐ワイン

さて、ドイツワインの等級のトップに君臨するTBA。こいつは世界三大貴腐ワインの一つと言われています。厳密には、モーゼル川上流域のTBAだそうですが。

残る2つはというと、
・ハンガリーのトカイワイン
・フランス、ボルドーのソーテルヌ地区で造られる、シャトー・デュケム
この2つです。

どっちも高い!そして舐めたことありますが、甘さがお上品です。

まとめ

もうガッキーは言えないか…
ドイツワインはその甘さにプライドを持っているようですね。
質実剛健という国や人のイメージ、そしてタフな製造方法からはかけ離れて感じる、甘口ワイン。
日本はまだフランス信奉が厚く、一方でコスパに優れたチリやオーストラリアのワインのシェアが伸びています。そこに負けずに、ドイツや東欧、あとはスペインなどのワインももっと有名になるといいなーと思っています。

飲みやすいのに個性的なドイツワイン。
ぜひ試してみてください。私も飲んでみたら、また感想を書くつもりです。

では!

One Comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。