OSMO Pocket、その小ささの前に納得すべき不満

最近カメラマンとか旅人界隈で話題のガジェット、OSMO Pocket。

ドローンやカメラ、スマートフォン用ジンバルで有名なDJI社の新製品だ。
トヨタのCMで香川照之が持っているのを見た人もいるかもしれない。

ドローンやジンバルで培ったスタビライザー技術を使って、超小型のビデオカメラが誕生した。

このスペックがこのサイズに入ったことがすべて

とにかく小型。
サイズはiPhoneXより立幅が小さく、厚みと横幅はタバコの箱くらい。とにかく小さくて、手が大きな人には持ちにくい恐れすらある。

スマホ用ジンバルとの違いは、これ自体にカメラとモニターが付いており、これ一つで撮影が可能なことだ。
スマホ用ジンバルは、持つ部分(グリップ部)とスマホを安定させるスタビライザー部分と、操作するボタン群があるが、カメラそのものは無い。カメラはスマホのカメラだから当然だ。

商品名通りポケットに入れておいて、ちょっとしたタイミングですぐ撮影に入れる。
起動もそんなに遅くは無い。起動と同時にキャリブレーションを行う(カメラが三軸方向に動く)ので、電源ON即撮影とはいかない。それでも5秒くらいか?スマホのジンバルと比べれば全然早い。

操作性も、悪くはない。ただ抜群ではない。
小さな正方形のモニタはタッチパネルで、ここでモードを切り替えたり、カメラの操作を行う。

撮影モードは多様だ。動画以外に写真も撮れるし、ジンバルを活かしたパノラマ撮影もできる。動画も普通撮影するほかに、スローモーション撮影、タイムラプス撮影も可能だ。
カメラモードは、固定モード、ターゲットを指定した追尾モード、そしてFPVモード(一人称視点)、それにセルフィーモードもある。

素晴らしいガジェットだ。
正直言うと、最近はカメラを出すのが億劫な時は写真も動画もiPhoneかコレで撮っている。

そんな強力なOSMO Pocketだけど、購入前からうだうだ言っていた懸念ポイントで、いくつか的中したことがあった。購入してから分かったこともある。

バッテリー

カタログスペックで1時間40分。
ちょっと撮影するなら問題ない。ただ、講演や演奏などの記録には心もとない。

参考までに、OSMO Mobile2はカタログスペックでは1回のフル充電で15時間近く持つ。(使用した感想だともう少し短い気がするが)
ただし、スマホのバッテリーも気にしないといけないので、その意味では煩わしさがあるかもしれない。

タッチパネル

個人的には不満のある点だ。ポイントはいくつかある。
まず小さすぎて見えん。私の視力の問題なんだが。

そして、16:9で撮れるのに、モニターはスクウェアなので、撮影されている写真や動画の全貌はスマホに接続しないと見れない。
見切れは動画において致命的だから、撮影時に確認できないのは痛い。

この2つはスマホに接続すれば解決する。だがそうすると小型軽量という最大の強みが消えうせる。

操作性、これは慣れや相性の問題かもしれないが、タッチパネルでのジンバルの操作がしにくい。
なので、私は別売のコントロールホイールをつけて撮ることが多い。

これをつけるとケースには入らない。また、ホイールをつける接続部のところに、スマホに接続するためのライトニングやUSBのコネクタをつけないといけないので、いちいち取り外す必要がある。それくらいはまあ、圧倒的長所である小型化のツケなので不満ではない。
問題は些細な接続で取り付け取り外しをしないといけないため、細かなパーツを紛失しそうなことと、取り付ける際の力加減が絶妙なので、結構ぶっ壊しそうだということか。

ストラップ

OSMO Pocketは小さい。そして、細かいパーツがあったり、むき出しのジンバルもあるため、ポケットやカバンにポイっと入れると思わぬ破損の恐れがある。そのためにケースがあるのだが、撮るかな?というときは手に持っておきたい。

そういうとき、ストラップがあると便利だ。手首にかけられるし、首からかけておくこともできる。首掛けは紛失や盗難という点からも有効だ。

だが、OSMO Pocketにはストラップがつけられない。

ケースには付けられるのだが、本体にはストラップ穴がないのだ。
これは個人的には痛いと思う。

別売で、アクセサリマウントがある。
これに穴があるので、ストラップを通すことができるが、これをつけている間は外付けのコントロールホイールや、スマホに接続するためのコネクタをつけることができない。

ただ、スマホ接続は、これまた別売のワイヤレスモジュールを本体下部につけて無線接続すれば使える。別売アクセサリをかわせるビジネスか。笑

ズーム

OSMO Pocketには換算26mm、F2.0のカメラがついている。そこそこ暗いところでも撮れるし、画角が広いので便利だ。

ただこのカメラ、ズームができない。

単焦点レンズで作品を撮るスチールカメラマンが多い。私も場所と目的に応じて単焦点とズームレンズを使い分けるので、単焦点的な考え(画角は足で稼げ)はわかる。
動画撮影も同じだ。映像作品を作る目的であれば、ズームは不要なことが多い。絵作りはカメラマンが寄るか引くかだ。この小ささなのだからそれは簡単。

だが目的が講演や演奏の記録など、自分が思うがままに動けない場合、ズームは必須になる。
これはスチールカメラでいうと、写真展に風景写真を出すカメラマンと、規制線の先の現場を押さえる報道カメラマンでは使うレンズが違うことを考えるとわかりやすいかもしれない。

私の場合、いまはズームが欲しい場面で動画を撮ることが多い。
動画作品つくりだったり、街歩きで撮るなら単焦点のOSMO Pocketは素晴らしい。だが会場で撮ると言う場面では、一眼レフでの動画撮影か、OSMO Mobile2を使ってiPhoneで無理のない範囲でズームして撮っている。

細かい操作はスマホ接続が必須

OSMO Pocketは、上で紹介した端子にライトニングやUSBのコネクタをつけてスマホ接続が可能だ。
スマホに専用アプリ「DJI mimo」をダウンロードすれば、ファームウェアアップデートや、スマホ内で動画や写真の確認ができる他、スマホに接続した状態で撮影が可能だ。むしろこのDJI mimoで撮影する方が、より高度な撮影ができるようになっている。

ただ、個人的にはこのスタイルでの撮影はOSMO Pocketの小型で、片手で撮影できるという最大のメリットを殺していると思う。

ただ接続しただけでは不安がある。ライトニングコネクタ一本だけの接続だ。なのサードパーティ製のホルダーを使用したほうが安心だ。
また金がかかる。笑

撮影ポイントをしっかりと決めて、どっしりと撮影するなら良いが、結局両手で撮影することになりそうだ。

このサイズの逸品に全てを求めるのは野暮

ここまで上げたポイントは、この小さなボディでここまでの機能を搭載するために取捨選択した結果なのだろう。(ストラップ穴以外は)
ただし、このサイズとスペックを実現したこの逸品に全てを求めるのは間違いだ。

ドキュメンタリー風な動画や映画を撮影する際のサブカメラ、街歩きやパーティ、旅行のときに用いるには「これ以上ない」カメラ。(旅行ではバッテリーの問題があるけど)
私はあまり求めていないが、防水性能が皆無なので、アクションカム的な用途には期待できそうにない。端子のカバーを見ても、全く防水性はないとみていい。(防水ケースが別売されるようだ)

普通のカメラでも場面や目的に応じてレンズを変えるように、動画をどう撮るか、その場面ごとにうまく使っていけば、こんなに心強いアイテムはない。
DJIには、ぜひ新型OSMO Pocketを作る際にはストラップ穴をつけてほしいと思う。

話はそれるが、OSMOってオズモなんですね。オスモだと思ってた。笑

最後に、本末転倒になるかもしれないが、スマホ用ジンバルであるOSMO Mobile2やOSMO Pocketを使って動画を撮るようになって、デジタル一眼による動画撮影の素晴らしさを再確認した。
レンズ次第で光学ズーム性能は上がるし、デカい分安定して持てる。(限界はあるが)やはり場面を見極めて使い分けるのが得策という、もっともすぎる結論に至った。

なんにせよ、今後も私のポケットにはiPhoneとOSMO Pocketが、そしてカバンのポケットにはTHETA SCとボイスレコーダー、モバイルバッテリーが入っているはず。